人の死が自分を動かせてくれた~届いたメッセージ~
先月、自分のとても仲の良かった友人(先輩)がこの世を去りました。
それもまだ若くして急に。
その先輩と知り合ったのは、筆者が夢を無くして、楽しみも無く、ただただ生きているときのことでした。
元々、近い歳上の人とあまり深く親しむことが無かった自分でしたが、その人は半ば強引に自分を引き込んでくれました。
まともに近い歳上の人とプライベートを通しても仲良くなるのは、その人が初めてで、居心地が良く、自分が素でいられることができました。
時には、本気で喧嘩をしたこともあれば、筆者の前で本気で泣きわめいたこともありました。
同じ職場だったときも忙しい日は夜中12時から2人で仕事を始め、休憩も無く21時まで。そしてまた夜中12時から21時まで。
これを4日連続やり遂げたこともありました。
途中はフラフラしてダンボールの上にひっくり返ったこともありましたね。
それから、離れてお互い忙しい日々が続いても定期的に連絡を取り、長電話をしながらもお酒を嗜む。
そんなこともありました。
お前は友達だ。とまさか先輩から言われたときは本当に嬉しかったです。
自分だって辛かったはずなのに、いつも自分のことより人の心配ばかりして、必ず最後まで見放さないで助けてくれました。
3月の終わりに架かってきた電話では、自分が本当に辛かったはずなのにやっぱり筆者の心配をしてくれて、挙句には、お前の声が聴けて元気になった。良かった。と意味深な言葉を告げ終わりました。
それが最後の電話でした。
5月からは長年の先輩の夢だった自分の店の出店が決まり、準備も進み後一歩だった。そんな時に先輩は4月にこの世からいなくなってしまいました。
知らされたときは、何かの冗談かと思いました。
ギリギリまで必ず目を覚ますとどこかで期待を抱いていました。
しかし、目覚めることはありませんでした。
もしも時間を巻き戻せるなら、あのタイミングであの人に会って...と何度考えたことでしょう。
出ないはずの電話もただ寂しくコールが延々と流れるだけでした。
事実を受け止めるには長い時間がかかりました。
ひと月が流れ、先日実家を訪ねてお線香をあげに行きました。
親御さんと話しポジティブなこともネガティブなことも
自分が知らなかった先輩のこと
そして、親御さんの知らない先輩のこと
を共有して、本当の先輩を互いに知ることができました。
先輩が後一歩というところで途絶えた夢。
それは、串焼き 居酒屋でした。
筆者自身もいずれ喫茶店や珈琲に携わる店を持ちたいという願望がありました。
その話をあの人は応援してくれていました。
このひと月が過ぎて、お線香をあげて、ようやく自分の中でもう居ないんだということを実感させられたような気がします。
あの人の意志を受け継いで、成せなかった夢を果たす為にいずれ立派な店を出して胸を張って精一杯生きる。
そして生涯を終えたとき、向こうの世界で、また盃を交わしながらあの人に自慢できるように。
本当に仕事には厳しい人でした。
考え方もストイックでした。
でも誰に対しても優しく支えてくれる人でした。
自分の人生で本当に出逢えて良かった人だと思っています。
先輩を友人に持てて誇りに思います。
取り留めのない話でしたが、皆様も大切な人が居るなら大事にしてください。
そして、いつ何があっても後悔しないように必死でやり抜いていって欲しいです。