1杯数千円!?ジャコウネコから作られた世界一高いコーヒー「コピルアク」とは?
※Wikipediaより引用 (public domain)
普段皆様が親しんでいるであろうコーヒー。
考えたことのある人は多くはないでしょうが、そんなコーヒーの最高級品はどんなコーヒーなのか。
その正体は、
猫の糞なのです。
とは言え、そこらの野良猫ちゃんたちの糞から製造しているわけもなく...
ジャコウネコという動物の糞から採取したものになります。
さて、そんなジャコウネコの糞から出来たコーヒーとはどんなものなのか。
今回はその謎に迫りたいと思います。
ジャコウネコとは?
世界一高いコーヒー、コピルアクを生み出すジャコウネコ。その姿は、どう見てもヒョウ柄のタヌキ。 pic.twitter.com/WoiaK8xkhF
— 山口ゆささゆ@23ちゃい (@gwnkaya) April 23, 2019
ジャコウネコという名前ですが、皆さんが慣れ親しんでいる猫とは見た目が違いますね。
どちらかと言うと、タヌキやイタチのような外観です。
このジャコウネコは、アジアやアフリカの熱帯雨林に生息しており、60cm〜1mくらいの小柄で可愛い動物です。
最高級豆の製造方法
ジャコウネコ抱っこできたー!!!めっちゃ重いふわふわ可愛い💕💕💕 pic.twitter.com/JwI6blrhk4
— うな (@una_gi_32) October 13, 2019
ジャコウネコの糞から採取される最高級コーヒー豆。
この製造されるまでの過程をまとめました。
①コーヒーの実を食べる
勿論、単純に糞から採取するわけではなく、まずジャコウネコがコーヒーの実を食べるというステップが第1条件です。
ジャコウネコは、他の動物より選定能力に長けています。
その能力は、人間が手掴みで収穫するよりも遥かに優れています。
要するに"食通"なわけですが、コーヒーの実の中でも品質の良い熟れた実を食べることで、結果香りと味が洗練されたコーヒー豆が完成することに繋がるのです。
②コーヒーの実を消化する
ジャコウネコが飲み込んだ後のコーヒーの実は、腸へと届き、腸内の消化酵素により、体内で約12時間の時間をかけて、自然発酵されます。
この工程は、通常のコーヒー豆に例えると、農家の人が行なう収穫から発酵、そして加工をジャコウネコが代わりに行なってくれるわけです。
https://www.yt-device.com/entry/2019/04/20/192021www.yt-device.com
この工程により作られたコーヒー豆には、絶妙な深みとオリジナリティな香味が与えられます。
③洗浄・乾燥・焙煎
衛生的に問題があるのでは?と思われるかと思います。
ジャコウネコの消化酵素は果肉のみを溶かし、種子に当たる豆は溶かしません。
よって、糞と言えど、消化されずに残ったコーヒー豆を綺麗に洗浄した上でコーヒーを作るので、衛生的にも安全なのです。
また、ジャコウネコは、基本的にコーヒーの実を主食としているので安心ですね。
ジャコウネコの糞から取り出したコーヒー豆は、洗浄された後、太陽の光で数日間乾燥させます。
通常のコーヒー豆でも同じようにこの乾燥というステップを踏んでから焙煎を行ないます。
焙煎を行なうことでコーヒーの苦味が消え、ジャコウネココーヒー特有の甘味とフルーティーな香りが漂います。
値段に驚き!「コピ・ルアク」
コピルアク、ジャコウネコが野生の嗅覚で、コーヒーの実のその熟成期を見極めているからこその味だとか。飲んでませんが、どんな味なんですかね。 pic.twitter.com/j9pxmF6Xs8
— UVERworld_Staff_ (@UVERworld_dR2) August 28, 2013
このジャコウネコによって作られたコーヒーはコピ・ルアク(コピ・ルアック)と呼ばれています。
喫茶店で提供されているこのコーヒーの値段は、なんと1杯5000円~8000円します。
1匹のジャコウネコから取り出されるコーヒー豆は、1日3グラムだそうです。
コーヒーには、1杯で10グラム以上必要ですので、1杯分にもなりません。
その為、希少性があるんですね。
何故、誕生した?
そもそもジャコウネコの糞からコーヒーを作るなんて、誰が考えついたのでしょう。
それは昔、オランダ人がインドネシアを植民地にしていた頃...
オランダ人は、インドネシアでコーヒー農園を作り、インドネシア人は奴隷として働かされていました。
奴隷たちはコーヒーを飲むことを固く禁止されていたので、コーヒーを飲むことはできず、美味しそうに飲むオランダ人たちを羨ましく思っていました。
そこで、奴隷たちはジャコウネコの糞から豆を取り出して飲むことにしたそうで...
それが美味しい!と評判になり、コピ・ルアクが誕生しました。
そのお味は?
他のコーヒーよりカフェインが少なく、酸味も苦味もありません。
苦いコーヒーを想像されている人は、驚くでしょう。
コーヒーというより紅茶を飲んでいるようなスッキリとした感覚。
その中にほのかなフルーティーな甘みと土っぽい野性的な風味があります。
苦いコーヒーが苦手という人でもこれなら飲めるんじゃないかと思いますよ。
また値段が高いので、コピ・ルアクをしっかりと味わいたいという人は、ネルドリップで抽出することをオススメします。
ペーパードリップで淹れるなら、ハリオのV60円錐ドリッパーを使用するといいと思います。
さいごに
世界一高価なコーヒーがまさかの猫の糞という意外な結果でしたね。
やはり抵抗のある人も少なくはないかもしれませんが、あらゆる人々の知恵とキュートなジャコウネコが産んだ美味しいコーヒーです。
ちなみにジャコウネコだけではなく、世の中には、ゾウやサルの糞から作られたコーヒー豆もあるんですよ。
こちらもお高いです。
皆さんも是非お財布が暖まっていたら、少しリッチなコーヒーブレイクタイムを味わってくださいね。