昭和レトロを思わせるブリキのおもちゃは何故消えた?
現在ではあまり見かけることのない昔懐かしいブリキのおもちゃ。
かつての男の子達の間では必須アイテムだったことでしょう。
さて、魅力が沢山詰まった温かみのあるブリキのおもちゃは、何故姿を消してしまったのでしょう。
ブリキのおもちゃの魅力
ブリキとは、スズでメッキを施した鉄板のことです。
この材質を使って、かつては多くの玩具が作られていました。
ブリキの魅力は、美しい光沢感。経年劣化で良い感じにサビがつき、色褪せていくといった独特の味わいを出すこともできます。
素材も優れており、耐水性、溶接性を備えており、金属でありながら紙のように印刷ができることから、当時の玩具の素材として使われていました。
加工も容易であり、耐久性に優れているので落としても簡単には壊れません。
素材のスズにも毒性が無いことから当時の玩具業界においては、メリットばかりでした。
現在でもネットショップや雑貨屋などでブリキ看板は良く見かけるでしょう。
また、スチール缶の素材としても使われています。
ブリキの歴史 誕生から衰退まで
ブリキの誕生は、1800年代の半ばにドイツで製造されたことが始まりと言われています。
日本に輸入されてきたのは、明治時代の初期の頃です。
この輸入を機に製品開発が盛んに行なわれました。
第二次世界大戦中は、金属製の玩具の製造が禁止されていました。
軍の武器等に用いる為でしょう。
しかし、戦後は製造が再開され、日本からアメリカへの輸出が増大しました。
1950年~1960年代は最盛期を迎え、日本はドイツを抜く最大の生産国と発展していました。
しかし、1970年代に差し掛かると生産量が次第に減少していきます。
その背景としては、プラスチックや塩化ビニール、ダイキャストという新素材の誕生です。
これらの誕生により、玩具製造のコスト、人件費などの手間が大幅に削減が可能となりました。
世間からは、ブリキの玩具は角があるから危ない。中に含まれる鉛を誤飲してしまったら危ない。と敬遠され始めたのです。
この現実的な製造問題と社会的風潮の変化により、ブリキは昭和時代を境に姿を消していったのです。
しかし、現在においてもブリキのおもちゃはコレクターのなど一部の人の中では人気を集めています。
近年ではアナログレコードブームも再燃しておりますが、技術の結晶と言っても過言ではないブリキの玩具も脚光を浴び始めているのです。
さいごに
令和になって時代は変わりましたが、かつて親しまれたものは時代が変わって衰退しても尚、愛され続けます。
風潮が変わってもその製品に明らかな魅力があれば、それは世代を超えても伝わるのです。
ブリキの玩具をたまに見かけると何とも言えない気持ちになります。
心を掻き立てられるというか、ロマン溢れるというか、上手く言葉にはできないですが、共感して頂ける人もいると思います。
是非、ブリキの玩具を捜し出して、部屋のインテリアに採り入れて末永く愛でていって欲しいと思います。