サン・テグジュペリの「星の王子さま」が心に与えるエッセンス
ふと書店を歩いていると小さなワゴンの中に可愛らしいアンティークな絵が描かれた種類豊富なグッズが並べられているのを見かけました。
つい立ち止まって、そのグッズを手にとり「何処かで観たことがあるな」と記憶を振り返ったところ
幼少期に意味も分からず見ていた「星の王子さま」という物語であることを思い出しました。
グッズは欲しいけれど、どんな物語だったかと筆者は絵本コーナーへと足を運び、子どもたちに混じって、その絵本を探しました。
そして、購入したのがこちらです。
皆さんも見かけたことがあるのではないでしょうか。
「星の王子さま」とは
「星の王子さま」は、1943年にアメリカで初版され、
1953年には日本でも販売された著書です。
現在では世界で200カ国以上で出版されており、1億5000冊以上も売れたベストセラー作品です。
この作品を産み出したのは、フランスの作家であり、操縦士でもあった「サンテックス」という愛称で親しまれた アントワーヌ・マリー・ジャン=バティスト・ロジェ・ド・サン=テグジュペリという人物が描いた物語です。
児童文学でありながら、「子供の心を失ってしまった大人へ向けて」描れた物語です。
「星の王子さま」のストーリー
Ⅰ 「"ぼく"と"王子"の出逢い」
操縦士の「ぼく」は、サハラ砂漠に不時着した。
1週間分の水しかなく、周囲1000マイル以内に誰もいない孤独で不安な夜を過ごす。
翌日、1人の少年と出会い、少年がある小惑星からやってきた王子であることを知る。
Ⅱ 「王子が旅に出た理由」
王子の星は、普通の家程度の小さな星。
そこには「火山」と「バラ」がありました。
そこで美しいと思って育てていた「バラ」と口喧嘩をしてしまった為、他の星の世界を見に行くために旅に出たとのこと。
王子は地球に訪れるまでに6つの星を旅してきたと語ります。
Ⅲ「ありふれたものという事実」
王子は地球で「ヘビ」に出逢った後に高い「火山」を見つけ、数千本の「バラ」を見つけた。
自身が愛してきて特別なものだと思っていた「火山」や「バラ」が実は有り触れたものだという事実を知り、自分の星はつまらないものだったと嘆く王子。
Ⅳ「"キツネ"が教えてくれたこと」
嘆く王子の前に「キツネ」が現れ、王子は悲しみを紛らわすために遊んで欲しいと頼むが、「仲良くならないと遊べない」と断られる。
それは、あるものを他の同じようなものとは違う特別なものだと考えること、あるものに対して他よりもずっと時間をかけ、何かを見るにつけそれをよすがに思い出すようになることだという。
これを聞いた王子は、他に沢山の「バラ」があろうとも、自分が美しいと思い精一杯の世話をした「バラ」はやはり愛おしく、自分にとって一番のバラなのだと悟る。
仲良くなった「キツネ」と別れることとなり、王子は「キツネ」と友達になったことに気づく。
別れの悲しさを前に「相手を悲しくさせるのなら、仲良くなんかならなければ良かった」と思う王子に
「黄色く色づく麦畑を見て、王子の美しい金髪を思い出せるなら、仲良くなった事は決して無駄なこと、悪い事ではなかった」とキツネは答える。
Ⅴ「自分の星へ帰る王子」
「大切なものは、目に見えない」という「秘密」をキツネから教えられた王子。
自分の星が遠すぎて、身体を持っていくことができない王子は、自らヘビに咬まれるという手段をとって、星へ帰って行きました。
物語が教えてくれたこと
王子が旅をした6つの星で出逢った大人たち。
彼らは、くだらないことに執着していたり、自惚れていたりとまさに子どもから見た大人ばかりでした。
「子どもの心を忘れてしまった大人たち」へ伝えたいことがまさにそこにあります。
またキツネが言っていた「大切なものは、目に見えない」
それは、生命・愛とは何かといった、人生の重要な問題に答える指針なのです。
このようにファンタジックなタイトルでありながら、中を読み込むと数々の教訓が綴じ込まれている素敵な物語と言えるでしょう。
さいごに
今回は、世界で愛される不朽の名作「星の王子さま」についてご紹介しました。
幼少期に読んだことがある人もいらっしゃるかと思います。
大人になった今、読み返すと当時とは違った感想が産まれる。それは、少なからず成長なのではないでしょうか。
あの頃はこう思ってたのに...と初心を振り返る材料にもなれば、
あの頃に疑問に感じたのはこのことだったのかとスッキリすることや新たな発見も産まれるかもしれませんね。
インテリアとしてもピッタリだと思います。
レトロな表紙と挿し絵がまた味が出ていて良いですよ。
素敵な作品ですので、是非読んでみてくださいね。
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