温泉・銭湯で見かける風呂桶「ケロリン」とは?
※Wikipediaより転載 Miya.m CC BY-SA 3.0
銭湯、温泉でこのような風呂桶を見たことはありませんか?
なんで「ケロリン」 なの?
と思っても疑問を追求する人は筆者が考えるにそんなに多くないのかな?と思います。
ただ、そう言われると気になりませんか?
というわけで、今回はこの「ケロリン」について追求していきたいと思います。
ケロリンとは
ケロリンとは、昭和へ元号が変わる少し前の1925年(大正14年)に富山めぐみ製薬から誕生し、100年近く経った今もなお、多くの方から支持されている漢方風の頭痛薬(鎮痛剤) のことです。
強い鎮痛効果を持つことで知られるアスピリン製剤の1つで皆様もご存知だと思います「バファリン」もその1つです。
当初のケロリンは、他の漢方の比べ、効き目が速く、効果も高く、眠くならないと評判が良く、全国へ普及していきました。
画像の通り、今もなお現代では物珍しいレトロな外観で販売されているのが特徴です。
また、昭和初期では、パッケージの「ケロリン」という文字が「ンリロケ」と右から読む表記になっていました。
ケロリン桶の歴史
1963年(昭和38年)に広告代理店である当時の陸和商事の社長が温泉・銭湯の風呂桶に広告を付けるという斬新なアイデアを考案し、ケロリンの拡販を狙っていた製薬会社と独占契約を結んで、ケロリン桶の製造を開始しました。
当時の銭湯は、木製の風呂桶が一般的でしたが、世間は耐久面と衛生面の観点から合成樹脂製の風呂桶へ変わりつつありました。
製造されたケロリン桶は、プラスチック製の頑丈かつ、衛生的なことから好評でした。
皆様のイメージとしては、黄色い桶というイメージがあるかと思いますが、当初は白い桶でした。
しかし、湯垢の汚れが目立つことを考慮して、黄色い桶へと変更 されたのです。
ちなみにこの白い桶は、最初の一年程しか販売されていなかったのでプレミアがついている激レア商品なんです!
温泉・銭湯離れが進む現代ですが、多くの人からの人気を博しているケロリン桶は、今でも年間250万個以上製造 されています。
関西版と関東版が存在する
実は、ケロリン桶には関西版と関東版が存在します。
桶の違いは、サイズです。
関西版:直径210mm×高さ100mm
関東版:直径225mm×高さ115mm
これは、関西と関東の銭湯文化の違いが理由となっていて、そもそもの銭湯の作りが違います。
現代全ての銭湯でという訳ではないようですが、
関西の銭湯は出入り口から浴槽が先 (洗い場を挟み、中央部に浴槽) があることが一般的で
関東の銭湯は出入り口から洗い場が先 (洗い場の奥に浴槽) があることが一般的
とされています。
その作りから、
関西は先に浴槽があるので、浴槽のお湯で体を洗い流してから入り、
関東は先に洗い場があるので、洗い場で体を洗い流してから入る
ということが一般的とされています。
関西版が少し小さめなのは、上記で説明した通り、浴槽のお湯でかけ湯をする習慣がある為、大きめの関東版を使用することで湯量が多く入る分、重くなることでかけ湯がしづらくなるからだと言われています。
作品とのコラボ
ケロリンは、様々な作品とコラボをしています。
カエルのアニメでお馴染みの「ケロロ軍曹」 や
テレビ東京系のドラマ「石川五右衛門」
キャンペーンにての展開でしたが
缶コーヒーでお馴染みの「BOSS」
ケロリンの歴史ある支持により、近年の作品とも時代を超えてコラボしているわけですね。
今後もコラボグッズが展開されていくのではないかと思います。
幅広いケロリングッズ
湯桶をメインにご紹介致しましたが、ケロリングッズは何も湯桶だけではありません。
片手桶、キーホルダー、タオル、バスマット、バスチェアー、プラコップ、スリッパなどなど...
通販でも勿論、ロフトやヴィレッジヴァンガードなどの雑貨屋などでも沢山の商品が展開されています!
さいごに
さて、今回は現代でも活躍する変わらずレトロな商品「ケロリン」 についてご紹介致しました。
ケロリン桶って鎮痛剤の広告だったんですね!
時代が変わるに連れて、昔存在したものも形を変えて進化していくわけですが、こうやって形を変えずに愛され続けてる商品があるというのは、とても素晴らしいことだと思います。
筆者も偏頭痛持ちだったりするので、鞄やコインケース、ポケットなどにケロリンを忍ばせています。笑
近いうちにお風呂場をケロリングッズで埋め尽くしたいという、ささやかな夢を叶えられたらと思っています!